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サカナAIが開発したAIモデルによって生成された浮世絵風の画像。「着物を着ている白虎が桜の木の下で本を読んでいる」という指示文でAIが描いた=サカナAI提供

 どんな絵も浮世絵風に描く生成AI(人工知能)モデルが22日に公開された。本物の浮世絵2万4千枚の画像データを学んだAIが、色彩から和紙のざらっとした質感まで再現する。ユニークなAIを生み出したのは、タイ出身で日本の古典文学を研究するITエンジニア。「一般の人に日常のなかで古典に触れてほしい」という。

 浮世絵を描くAIモデル「Evo―Ukiyoe」は、元グーグル技術者らが日本で立ち上げたスタートアップ企業「サカナAI」が開発した画像生成AIだ。描きたいイメージを言葉で入力すると、絵を自動で生成する。サカナAIのウェブサイトから誰でも無料で使える。

 一般的なAIモデルでは「水彩画」や「浮世絵」など画風を指定しても、浮世絵の特徴が正確に表現されないことも多い。「浮世絵スタイルの男性」と指示すると、女性用の着物姿でひげを生やした短髪の男性が描かれることもある。

 ここに不満を持ったのが、サカナAIのエンジニアで古典文学研究者のカラーヌワット・タリンさんだ。浮世絵は木版画で、当時使える色は限られていた。タリンさんは、AIの生成する「浮世絵」の多くが「色を使いすぎている」と感じ、浮世絵が持つ色彩や風合いを正確に表現するAIモデルをつくりたいと考えた。

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浮世絵風の絵を描く生成AIモデルを開発した、サカナAIのエンジニアで古典文学研究者のカラーヌワット・タリンさん=東京都内、村井七緒子撮影

 研究で縁があった立命館大学アート・リサーチセンター長の赤間亮教授の協力で、デジタル化した2万4038枚の浮世絵画像を入手。生成AIを使って1枚ずつ写真説明をつけ、サカナAIが4月に開発した画像生成AIに追加学習させた。

 できあがった浮世絵AIは…

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